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2018年11月09日 | Posted by ギャラリーチーム

開催中!エプサイト・稲田弥恵写真展「猩々蠅(しょうじょうばえ)の囁きに 耳を傾ける」

こんにちは! エプサイトではここ2か月ばかり舞山秀一展、中井精也&川村エミコ写真展と、自主企画の写真展、いわゆる「企画展」が続きましたが、11月2日(金)より、今年度の下期・公募展がスタートしました。5月の公募選考会で選考された7つの作品が、これから来年2月にかけて順次写真展として開催されます。来年の春にはこの7作品の中から、最も優れた展覧会に第3回目の「epSITE Exhibition Award」が選ばれることになります。第一弾は稲田弥恵さんの写真展「猩々蠅(しょうじょうばえ)の囁きに 耳を傾ける」です。

謎めいたタイトルを有するこの作品、実は脳科学基礎研究が行われている最前線の現場が撮影の舞台となっています。人間の脳内における情報伝達のしくみを解くための研究は、実はハエの脳を通じて行われているということを、みなさんご存じでしたでしょうか。もちろん私は知る由もなかったです。

Re_img_1183_2▲ギャラリー内の様子。エプサイトがかつてないほどアカデミックな雰囲気に包まれております。一般の人々が普段立ち入ることの出来ない研究所。断片的に内部の様子が静謐な美しさを纏い表現されています。

撮影の舞台となった研究所ですが、実は稲田さんの勤務先でもあります。まずは今回の作品が生まれたきっかけについてお話を伺いました。

稲田さん:ギャラリー内で1枚目に飾った写真は、ハエを孵化して育てるインキュベーターという装置の中身を撮影したものなのですが、実はこれを見た時に「この異次元の空間を撮らなくてはいけない」と強く思いました。ハエというと一般的にはネガティブなイメージがあると思うのですが、研究所の中でのハエという存在は全く違います。私たちの思考の源である脳については、今なおほとんどのことが解明されていませんが、ハエは私たちに、自分たちの脳の秘密を明かしてくれる重要な存在なのです。ここで見るハエは色々な表情をしていてとても美しいですし、もちろん清潔です。自分の中の既成概念がパッと大きく変わっていくような感覚がありました。

脳の秘密を解く手がかり求め、ハエという小さな存在に、教えを乞うべく日々向き合う研究員たち。脳科学基礎研究の最前線に住まうハエはかくも崇高な生き物なのです。

さて今回、ギャラリー内グレーの壁面は研究所の中の様子を、白い壁面はデザイン的な要素も取り入れ構成されています。注目していただきたいのが、展示プリント。美しいトーンのプリントに思わずため息をついてしまいました。研究所に漂う知的で静謐な空気がプリントにそのまま閉じ込められているかのようです。

稲田さん:用紙は今までに50種類以上試しました。その中でたどり着いたのがキャンソンの「EDITION ETHING RAG」という紙です。この紙はマット紙でありながらも黒のトーンはディテールをしっかりと出ますし、光って欲しいところは光って表現してくれます。光沢紙だとギラギラ生々しくなるところを、光が拡散されて落ち着いた表情になるところが気に入っています。また表面のテクスチャーも絵柄の邪魔をすることはありません。大判プリントはエプソンの「PX/MCプレミアムマット紙」を使っています。
プリンターは、エプソンの「SC-PX3V」とエプサイト・プライベートラボの大判プリンター「SC-P2005PS」を使っていますが、プリントに研究室の「冷たい」雰囲気が出るよう、また暗いところのトーンは暗いだけではなく、ディテールがしっかりでるように、ギャラリーの展示空間を考慮しつつ何度も調整をやり直しました。

また今回、厚いアクリルでプリントをコートして仕立てた作品も展示されています。アクリルの中に閉じ込められた小さな作品は、顕微鏡越しに見るイメージを彷彿させ、こちらもまた素敵です。

Re_img_3257▲アクリル越しに閉じ込められたこの小さな作品は、ハエの脳を真上から写したもの。何だかクマのぬいぐるみのような形にも見えますね。とても不思議です。

Re_img_2015▲対面する白い壁面にも同じ絵柄の作品が大判のプリントが呼応するようかのように展示されております。

最後に稲田さんに、この作品を通して伝えたかったことをお聞きしました。

稲田さん:脳科学研究について少しでも知ってもらいたい、という思いはあります。脳科学は自分たち自身を知ることの重要な手がかりとなります。自分に全く関係ないという事ではなく、とても身近なものなのです。そして基礎科学は全ての研究の源であるということも。手がかりさえない大海の中から砂粒を一粒一粒拾うような果てしない研究ですが、そこが疎かになってはいけないと強く思うのです。

脳の仕組みという壮大な疑問に向き合う研究と、それを仄かに明かしてくれるハエという存在。その根本に「美」を見出した稲田さんの感性。ぜひギャラリーの現場で感じて欲しいと願っています。
展覧会は今月15日の14:00まで(日曜は休館)。 皆様のご来場を心からお待ちしております。

 

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