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2013年03月31日 | Posted by フク

フォトグラファーズレポート ~斉藤勝則さん~

みなさんこんにちは、フクです。

またまたやって参りました、月末。毎月毎月言っている気がしますが、本当に日の経つのは早いものです。こうやって連載ものを執筆させて頂いているから余計に感じるんでしょうか。3月末ということで、4月から新しい環境で新しい生活をスタートされる方もいらっしゃるでしょうか?

さて、今月のフォトグラファーズレポートは、ニコンカレッジなどで講師を行い、昨年11月に開催したエプソンフォトセミナーでも作品生活に関するセミナーにご登壇頂きました斉藤勝則さんです。講師などのお仕事の傍ら、カメラ誌でもデジタルカメラのインプレッション、撮影や画像処理のノウハウなどの連載も多く手掛けられております。

~本格的な作品づくりはモルディブ~

フク:「斉藤さんはサラリーマンを経てカメラマンに転身という経歴をお持ちですが、写真には社会人になってからご興味を持ちはじめたのですか?」

Sk1 斉藤さん:「本格的な作品づくりとして興味を持ちはじめたのは社会人になってからですね。しかしそれ以前は興味がゼロだったかというとそうでもなく、ちょうどカメラブームだった高校1年生の頃からカメラは持っていましたよ。ただ・・・、当時は当然フィルムカメラでしたので、フィルムを買って現像してプリントするとお小遣いがなくなっちゃうじゃないですか。なのでカメラは持っていましたが写真はあまり撮っていませんでしたね。」

斉藤さん:「高校の時はカメラの他にも音楽をやったり模型を作ったりと、他に打ち込む趣味がたくさんありましたので、写真はその中のひとつでした。大学時代も毎日課題や実験に追われて趣味に費やす時間も無く高校の時とあまり変わらなかったですね。
他の写真家の方ですと学生の頃から「これだ!」って熱中して打ち込んだというエピソードがあるかと思いますが、僕はそうではありませんでした。」

フク:「学生の頃はどういった写真を撮っていたのですか?」

斉藤さん:「大学生になってモデルの撮影会などでよく撮っていました。カメラ店などのコンテストでも何度か入選して、この頃にちょっとだけ写真を撮ることの楽しみを覚えたという感じですね。」

フク:「はじめは人物写真だったんですね~。それは社会人になってからも続いたのですか?」

斉藤さん:「ほんの少し続きました。しばらくしてモルディブに行くようになって、風景の写真を撮るようになってからは撮影会に行くことはなくなりましたけどね。
私はサラリーマンをやっていた時期が結構長いんですよ。大学が理系だったこともあり、公共事業を取り扱う会社でダムとか河川の水門を設計する仕事をしていたんです。一度同業に転職をしましたが足掛け14年間会社勤めをしていました。」

フク:「仕事と写真活動をどのように平行していたんですか?」

斉藤さん:「休日を利用して撮影に行ったり、少しまとまった休みの時はお金を貯めてモルディブへ撮影に行っていました。そこで撮影した写真は、当時のフォトライブラリーに預けていました。
フォトライブラリーというは、撮った写真を預けると広告代理店などが写真を使用すると多少のお金が入るというところで、毎年夏前になると各旅行会社がツアーのパンフレット用の写真を探すわけですが、そこで私の作品が幾つか使われるようになり、多少のお小遣い稼ぎをしながら撮影を続けていました。
もちろん会社は副業禁止ですので、モルディブ撮影の時も「ダイビングに行ってきます!」と嘘を言って休みをもらっていましたけど。(笑)」

フク:「そういえば斉藤さんは昨年も行かれていましたよね?確かエプソンフォトセミナーの時に見せていただいた作品もモルディブだったと記憶しています。」

Sk2

斉藤さん:「そうです。この頃からほぼ毎年撮影に行っていますめ。今年も来月に行く予定ですよ。」

フク:「モルディブへは何がきっかけで行くようになったんですか?」

斉藤さん:「写真家の三好和義先生の写真集『RAKUEN』を本屋で見て、「こんな美しいところがあるんだ」ってびっくりしたのがきっかけですね。
サラリーマンの頃一度転職していますが、転職する合間に行ったのがはじまりです。
最初は一生の思い出に一度行ってみようという気持ちでした。実際に行ってみると、モルディブって小さい島がたくさん連なっているんですね。あっちの島に行ってみたいとかこっちの島に行ったらどうなるんだろう?と移動しているうちにどんどんその魅力に引き込まれていきまして、そこから毎年通うようになりました。
本格的に作品づくりを意識し始めたのはこの頃からですね。モルディブへ行っていなかったら写真にのめり込むことはなかったかもしれません。」

~デジタルカメラと共にプロデビュー~

フク:「いつ頃から写真家になることを意識したのでしょう?」

斉藤さん:「私はダムや水門を設計するエンジニアでしたが、図面を引いている時はカメラマンになろうという考えはありませんでした。
写真業界でやっていく厳しさも聞いていましたし、私なんか絶対に無理だろうと思っていました。ですので、そのときは趣味で楽しんでいればいいと思っていました。」

斉藤さん:「サラリーマンの世界って、ある年齢になると管理職になっていきます。
私自身は物を作っていたエンジニアでしたが、管理職になると段々図面が引けなくなりマネージメント業務が主になっていきました。
そうなってしまいますとエンジニアの性なのか、やりたいことを取り上げられてしまうと仕事への関心も薄れてしまうのです。そんなこともあって退職しました。」

フク:「14年間働いたということは30代ですか?そこで会社を辞めてフリーのカメラマンになるというのは結構な決心ですよね?」

斉藤さん:「あまりそういう意識はなかったですよ(笑)。辞めた時点では、写真を生業にすることを決心できていませんでしたし。
カメラマンになることを決めたのは、写真の師匠に相談したのがきっかけでした。写真を預けていたフォトライブラリーにその人は居たのですが、会社を辞めて今こういう状況ですけど、カメラマンとして生きて行きたいと話しに行ったんですね。
そうしたら「やめておけ。ラーメン屋でもやった方がいい。」って言われましてね。あまりにも写真が下手だったので、そう言ったんだと思います。(笑)
ただ会社を辞めたんだったらしょうがない、俺が教えるから通いなさいと言ってくれたんです。
それから師匠の撮影現場に同行したり、自分で撮った写真を見せたりという下積みがはじまりました。当時は徐々にデジタルカメラが仕事の現場にも登場してくる頃でした。」

フク:「斉藤さんはフィルムからデジタルに移行する時に何かご苦労とか抵抗とかはありましたか?」

斉藤さん:「それはないですね。というのも、会社にいた頃から設計の仕事も手書きの時代からCADでデジタルによって作る時代へ移行していくのを目の当たりにしていたので、写真の世界がデジタルに移行していくことも当然だろうと思いましたし、そこに抵抗はありませんでした。
当時、デジタルカメラはものすごく高価なものでしたので手に入れるのは難しかったのですが、早く使ってみたいと思っていました。ようやく本格的なデジタル一眼レフカメラを手に入れたのは1999年ですね。
それがニコンのD1というカメラで、それを契機に本格的にプロとして活動し始めました。はじめの仕事は師匠のサポートというかたちでスタートしたデジタル撮影の仕事でした。師匠もデジタルのことは全く知らなかった訳ではありませんでしたので、細かいところを私が手伝ったりしていたんです。」

フク:「まさにデジタルカメラの登場と共にプロデビューをしたわけですね。」

斉藤さん:「そうですね。デジタル機材を一式買ったのはもちろんすごく苦労しました。当時32MBのコンパクトフラッシュが4万円くらいする時代でしたから。
ボディとメモリーカードだけで車が買えるんじゃないかないかってくらいの値段です。しかしこの頃もっと大変だったのは、デジタル機材を買ってからでした。
とにかく思ったように写真がプリントできないんです。毎日色合わせに四苦八苦していました。」

フク:「当時はまだ染料プリンターで、色が安定するのにも少し時間がかかりましたしね。」

斉藤さん:「ええ。それを救ってくれたのがエプソンの顔料プリンターPX-5500です。これがニュートラルのグレーを忠実に出してくれるプリンターでした。「ここまでにちゃんと色が出るプリンターはこれしかない!」と感動したのを覚えています。」

フク:「現在の作品づくりにおいて、プリントする際の用紙で気に入っているものとかはございますか?」

斉藤さん:「私は純正用紙しか使いません。それは理由があって、インクとのマッチング、プロファイルの精度が格段に高いですから。
プリントの仕上がりを安定させることで作品づくりに集中できるかなと考えています。そして、私の気に入っている紙は絹目調。顔料インクは紙の表面にインクを乗せるというシステムですが、光沢紙の場合、グロスオプティマイザを使わないと少し表面にインクが乗っかっている感じが出てしまいますね。
普段は気になりませんが、作品を展示する時などは目につくことがあります。絹目調であれば紙の表面とインクが馴染むというか、インクが乗っているのを感じさせない自然な仕上がりになるのです。なので私は今この紙を一番多く使っていますね。」

フク:「今後のプリンターに期待することってありますか?」

Sk3 斉藤さん:「現在のメインは顔料プリンターですが、どうしても被写体によって染料インクででプリントしたいな・・・なんてこともあります。私が欲しいと思うプリンターは染料と顔料のハイブリットプリンターです。ブラックインクを切り替えるように染料と顔料を切り替えることが出来れば素晴らしいですね。
それと、A3プリンターのコンパクト化です。潜在的に大きいプリントを作りたいと思っている人は多いと思いますが、プリンターの大きさを見て尻込みをしている人も同時に多いと思います。A4複合機のようにコンパクトになってくれると嬉しいですね。フクさん、是非お願いしますよ!実は来年当たり出てきたりして?(笑)」

フク:「う、うぅ・・・。(しばし沈黙)が、がんばります(汗)」

~ジャンルを限定しないことで自分の気がついていなかった興味を見つけることが出来る~

フク:「現在斉藤さんは撮影や執筆の傍ら、ニコンカレッジという写真教室でも講師をされております。お話を聞いていると初めてのプロデビューもニコンの機材・・・何かその辺接点のようなものはあったのしょうか?」

斉藤さん:「まったくの偶然です(笑)。プロになってある時、ニコン関係の仕事をさせてもらったことがきっかけでお声がかかりました。当時は現在の名称ではなく、ニコン塾といっていた頃です。そこで最初に担当したのはテーブルフォト講座でした。」

フク:「テーブルフォト・・・!?普段はモルディブの風景や花の写真の印象があるせいか、イメージと違いますね。」

斉藤さん:「そうかもしれないですね(笑)。実際、テーブルフォトに関しては写真をはじめた当時は、あまり興味のなかった分野でした。風景だけでプロカメラマンをやっていくのは絶対に無理だから、いろいろな物を撮れるようになっておけという師匠からの教えで、少しずつ覚えていったものです。」

斉藤さん:「師匠の物撮りの現場に同行し、どういうライティングで撮っているのかを見せてもらっていました。私が恵まれていたのは、師匠が撮影データを私にくれたことです。
弟子に撮影データを渡すなんてことは普通ではあり得ないことですが、「これを保管しておけ」と言って私に渡してくれたのです。おかげで物撮りのノウハウを知ることができ、少しずつ自分でも撮れるようになりました。
今でも私の事務所には師匠のデータがたくさん残っています。そして撮れるようになってくると、今まで興味のなかったものが急に面白味を帯びてくるというのでしょうか?新たな興味として立ち上がってくるようになりました。そのひとつがテーブルフォトです。写真を続けていくうちに見つけた興味と言っていいかもしれません。」

フク:「現在のプロフィールを拝見すると、風景専門とか人物をメインにといった作品カテゴリーを特に限定することはしていませんよね?オールジャンルというか。」

斉藤さん:「師匠のところで勉強させてもらっている中で、風景、人物、物などほとんどあらゆるジャンルの写真を撮りました。そうした経験が結果として専門ジャンルを限定しない方向になっています。」

フク:「そうした様々な被写体の中でも特に得意、不得意はありますか?」

斉藤さん:「そうですね・・・人物の写真は物や風景を撮るよりも違う神経を使うところもあって、難しいなって感じることが多いですね。」

フク:「学生の頃から撮影会などを通して撮っていたジャンルではありますよね?」

斉藤さん:「ええ。早い段階で興味を持ったジャンルなんですが、プロとしての撮影となると、撮影会とはやはり違いますから(笑)。
人物撮影ではモデルさんへ気を配り、いい雰囲気を作り出して短時間で対象の人間性を写す必要があります。それは僕にとって結構ハードルの高いことだったですね。写真を撮るまでの難しさを感じることがとても多かったです。人物写真を本当に楽しめるようになってきたのはここ数年です。」

フク:「ジャンルが変われば機材こそ同じであれ、撮影方法や撮影現場を作り出す方法がガラッとかわりますからね。」

斉藤さん:「あまりジャンルを限定しないで撮ってみると、はじめは目もくれなかったようなものや、自分には不向きだと思っていたジャンルが意外と面白かったり、合っていたりするものですね。そういうのを見つけるのも写真の楽しみだと私は思います。」

・・・いかがだったでしょうか?サラリーマンから転進という少々珍しい経歴をお持ちの斉藤さんですが、会社勤めも長くされていたせいか、非常にやわらかいあたりの方でした。作品にもその人柄が現われている気がしますね。

Sk4

2012年度もご愛読ありがとうございました。4月より我々エプソンも新体制を迎えるところも出て参りますが、引き続き宜しくお願い致します。

それではまた、宜しくお願い致します。

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