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2012年11月02日 | Posted by ギャラリーチーム

エプサイトギャラリー・岡嶋和幸写真展「九十九里」

こんにちは、ギャラリーチームです。

今回は、2012年度3回目のエプサイト企画展として、写真家・岡嶋和幸さんの写真展をご紹介します。

タイトルはずばり、千葉県の外房といわれているエリアに広がる長い長い海岸で、実は岡嶋さんの今のお住まいは九十九里からほど近い「御宿(おんじゅく)町」にあることから、この写真展はスタートしています。

ところで、エプサイト企画展として岡嶋さんとタッグを組んだことには、大きな理由があります。
それは、「撮影」「画像処理」「プリント」そして「展示構成」という、写真展を開くにあたっての総ての部分で、写真愛好家の皆さんにとって良きお手本を示すことが出来る、という確信があったからです。

では、一つひとつ順番に解説していきましょう。

まず、「撮影」は・・・、と言いたいところですが、岡嶋さんの場合、そうではないんです。
最初にくるのは「展示構成」です。
エプサイトでの写真展が決まってから、岡嶋さんはじっくりと時間を掛けてエプサイトギャラリーの“ハコ”を視察・検討しました。
すでに九十九里の写真は撮り始めていたのですが、具体的に発表する場が決まると同時に、頭のフル回転が始まり、エプサイト展に向けた『企画書』が出来上がります。
企画書というからには、頭の中で作ったイメージのままにしておくのではなく、必ず言葉に置き換えて記しておくそうです。そこが、後々に利いてくることになるのです。

●この写真展では何を伝えたいのか → 日本の海独特の潮の香り、肌がべたつく感じ。永遠を感じさせる波、風、光。誰もが見たことのあるような海辺
●そのためには、まず用紙として何を選ぶか → 湿った海を表現するにはプロフェッショナルフォトペーパー(厚手光沢)
●プリント・額装はどうするのか → イメージサイズを800mm×600mm、余白は幅広く150mm、オリジナル木製フレーム白塗装
●RAW現像からプリント制作をどうするか → 信頼するプリンティングディレクター松平光弘氏(アフロアトリエ)に依頼

以上のことが決まって初めて、使用するカメラ、レンズ、撮影時の光のイメージと露出、等が決まってくるのです。

一見、理屈っぽく手間の掛かりそうな手順ですが、この『岡嶋流・逆算方式』で取り組むからこそ、一連の作業に無駄や不必要な迷いが無くなります。

さて、その結果・成果については、もう観ていただければ一目瞭然ですので、是非エプサイトまで足を運んでください。

01_3
エプサイトプライベートラボでの制作風景。左が、プリンティングディレクター・松平光弘さん。
ちなみに、右の岡嶋さんご自身も、インクジェットプリント制作に非常に長けている方です。

額装された作品は、充分な幅の余白を持っています。
一見、オーバーマットかと思って近づいてみると、そこにはマットの厚みや乾いた質感で写真が閉じ込められたような窮屈さは無く、九十九里の海の寄せては帰す動きが見えるようです。

用紙の白色とバランスの取れたフレームの白色が、写真をガチガチに縁取ることなく、かつ、個々の写真ごとにまとまりをつける役割を果たしています。

その額装された大きめの同一サイズ作品が、ギャラリーのグレー壁面に整然と並べられていることにより、とても気持ち良く観ることができ、かつ、点数が14点であることを思わせない見応え・満足感が感じられます。

ギャラリーの白壁面には、一転して、横幅1500mmの大判プリントが余白無しでパネルマウントされて3点。
あえて通常よりもかなり低い高さに掛けられた写真は、余白が無い分、海や空の雲が生々しく、計算づくの低さの効果で九十九里の海に引き寄せられそうな錯覚が楽しめます。

いかがでしょうか。
これらは総て、事前の『企画書』に記されたコンセプトで一貫しているからの結果です。
もう、写真展のよきお手本としか言いようがありません。

岡嶋さん「かつて<潮騒><くろしお>という海のシリーズを作ってきたので、この九十九里もその続編かと思うかもしれませんが、実は別物です。
3.11以降、海や波の写真を露出することを控えるような時期があり、僕もそれは理解していました。でも、途切れることなく打ち寄せる波、吹き続ける風、降り注ぐ光、空模様などに、いつまでも目を背けている訳にはいかないと思います。
自分の住む九十九里を、今回はそこにある生活が伺えるように人工物も入れて撮りました。それをプリントとして観てもらい、残していく。記録としての価値もプリントであるからこそ生まれてくる。
九十九里の撮影は、まだまだ始まったばかりだと思っています」

なお、同時開催として、日本写真学院『「THE GALLERY』にて、岡嶋和幸写真展「afterglow」が開催されていますので、そちらも併せてご覧ください。
(ギャラックマ)

04
海に向かって走り込む岡嶋さん。
「女性の眼の高さくらいから観てもらうともっとリアルで、思わずこんな格好になると思いますよ!」

エプサイトギャラリー・岡嶋和幸写真展「九十九里」

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