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2018年09月20日 | Posted by ギャラリーチーム

エプサイト 舞山秀一写真展「I'M HERE.1986~2018」 開催中です。

みなさんこんにちは! 久しぶりのブログの更新ですが、本日はエプサイトからの話題を少々。。。
エプサイトでは現在、写真家・舞山秀一さんをお迎えしての特別企画展「I'M HERE.1986~2018」の会期真っ只中です。連日多くのお客様にギャラリーで作品をご鑑賞いただいております。

まずは舞山さんのご紹介を少々。。。 舞山秀一さんはコマーシャルフォトグラファーとして、デビュー以来、常にその時代の第一線で活躍を続けています。CDジャケット、写真集、雑誌、広告などのメディアで、著名な方々のポートレート撮影を中心に活動されているので、そういったお仕事での写真を通じ、知らず知らずのうちに舞山さんの作品を目にしている方も多いのではないでしょうか。

また舞山さんは、作家としての活動もコンスタントに続けています。多忙なお仕事と並行し、作品集の出版や写真展も定期的に行っているのです。舞山さんの写真への情熱とプリント制作に対する姿勢をリスペクトする我々は、意を決して舞山さんにエプサイトでの展覧会開催を依頼、快諾いただきました! 今回の展覧会では、舞山さんが20年以上に渡り旅先で撮り集めてきたポートレートを中心とした珠玉の作品をご覧いただけます。

P9080672▲舞山さんの珠玉のポートで埋め尽くされたギャラリー内 圧巻です!! 作品は右側壁面の1986年に撮影された作品から始まり、半時計回りにおよそ時系列で並んでいます。

P9080673▲こちらの白い壁面には2012年から2018年までの作品を展示。最新の舞山さんの作品世界をご堪能いただけます。

Img_6725▲ギャラリー内には撮影地や撮影年代を記した作品のリストを設置しております。ギャラリーにお越しいただきましたら、ぜひ、こちらをお手元で参照しながらご覧くださいね。

今回の展覧会はとにかく見どころ満載ですが、僭越ながら鑑賞のポイントを3つ挙げてみます。

1.舞山さんの30年以上に及ぶ作品の軌跡
 今回1986年から2018年までの舞山さんの作品が一堂に並んでいますので、撮り方、被写体との距離、現像の仕上げ方など、時代ごとに作品が変化する様子が、流れで見る事が出来ます。

01_199612_portugal_book1_048▲例えばこちらは1996年にポルトガルで撮影された作品。今現在の舞山さんの作品はモノクロームですが、この頃はお仕事も含め、カラー、そしてクロス現像という手法も多くされていたとのこと。力強く鮮やかに被写体が立ち上ってくる印象です。

2.美しい、こだわりのプリント
 舞山さんと言えば、プリントワークをとても大切にされる作家としても知られています。今回の展示作品はもちろん舞山さんご自身が全て制作されました。エプサイトのプライベートラボでの様子を少しだけご紹介しますね。。。

Img_6659▲作品制作のため、この夏、睡眠時間を削る日々が続いていたという舞山さん。本当に頭が下がります。

1986年から2000年代半ばまでの作品は原版がフィルム。全ての作品を今回あらためてスキャンをして、最新の大判インクジェットプリンター「SC-P2005ps」で制作されています。スキャナーは舞山さん自前の「Flextight X5」です。モノクロ作品の場合、スキャンデータにさらにひと手間かけ、35mmフィルムから仕上げたとは思えないような高精細な仕上がりに。ハイライトのなめらかなさ、シャドーの美しいトーンがたまりません! 用紙はハーネミューレのフォトラグ・バライタ。実は当初、和紙も含め別の様々な用紙を試されましたが、最終的には普段から舞山さんが作品を制作される際に使用されているこの紙に落ち着きました。

Img_6671

Img_6672▲大判プリンターからプリントが出る瞬間のキャッチもお見事。傷つけることないよう、本当に大切に、丁寧に、一枚一枚のプリントを取り扱う舞山さんの姿に、日ごろからプリントに携わる私たちも、あらためて背筋が伸びる思いでした。

3.展示手法
 一般的に写真展では作品を額に入れたりパネル仕立てにして飾りますが、今回ギャラリー内・グレーの壁面には、額装をせずそのままの状態で直に貼っています。作品は高級紙を使っての飛び切りのファインプリント。それを額装で飾ることなく、そのままシンプルに貼っただけの展示が、なんとも潔くカッコいいのです。作品の勢いがストレートに、生身の形で伝わるような印象です。

Img_6727▲プリントの四隅に注目。こんな風にマグネットを使って、壁に直に貼っています。

一方、最新の作品が並ぶ白い壁面は、カスタム制作の重厚な額を使って作品を飾っています。

Img_6728▲厚手の額の中に、作品が浮いたような形で収まっています。被写体の周囲の空気も閉じ込めたかのような最新の舞山さんの作品に、とても良く似合って何ともカッコいいのです。

直貼り作品も額装作品も、作品をどうプレゼンテーションするか、舞山さんが考え抜かれたプランです。こうした作品の仕立て方も、作家の表現を味わうための見逃せないポイントなのです。

P9080641▲9/8(土)にはトークイベントも開催されました。Adobe BridgeとPhotoshopを連携させて展示構成の図面を作成する方法など、舞山さんならではのテクニカルなお話も飛び出し、会場からは「ためになった!」という声も。。。

展覧会は作家の意図が最も反映する「表現物」。「趣味が写真で、写真が仕事」と語り、いつの時代も真摯に写真に向き合ってきた舞山さんのお人柄がストレートに表れたような今回の写真展ですが、会期は残すところあと2週間です。「舞山さんの空間」を味わいに、ぜひお気軽にギャラリーに足をお運びください。
皆様のご来場を心よりお待ちしております。

舞山秀一写真展「I'M HERE. 1986~2018」
会期:9月7日(金)~10月4日(木)10:30~18:00
   ※最終日は14:00まで ※日曜、9/28(金)は臨時休館


 

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2018年02月23日 | Posted by ギャラリーチーム

エプサイト 池上諭写真展「蜜柑が赤く熟れる時分」

みなさんこんにちは
まだまだ寒い時期ですが、夕方は少しづつ日が長くなってきていますね。梅の花も咲き、春が着実に近づいているのだなあと実感しています。もう寒いのはイヤ!待ち遠しいですね!

さてさてエプサイトではただいま池上諭さんの写真展「蜜柑が赤く熟れる時分」を開催中です。
エプサイトでは前回の塩原さんの会期に続き、また果物つながと思いきや、作品のテーマは全く異なります。

池上さんは秋から冬にかけて愛媛県の農家に住み込みで働き、みかんの収穫作業を手伝っているとのこと。今シーズンで4年目になるそうです。海が見下ろせるみかん畑で仕事をしながら、その周囲の景色を丁寧に丁寧に、しっかりと見つめて撮った、そんな作品です。

Photo
池上さん:ここには仕事で行ったので、最初の2年は特に写真は撮っていなかったです。でもそのうち愛着が出たというか、自分の中の記憶として残してみたいと思いました。撮影は休みの日や仕事が天気の関係で切り上げになった合い間に、少しずつ続けてきました。この仕事は天気がとても大事で、雨になると仕事ができません。

確かに、まぶしいお天気の写真は少なく、どこか湿度を感じる写真が多い気がします。そして、池上さんの作品の中に人の姿はほとんどありません。だけど、何故でしょうか。人がいた気配やその場の空気が濃密に閉じ込められているかのような感じがします。風景が映っているのですが、風景の向こう側にある何かを思わずにはいられない作品です。

池上さんの作品に対し、エプサイトの選考委員のお二方は以下のようにコメントされています。

小高 美穂さん・評
観光的に撮ったのではなく、何か思いを抱えて徘徊している感じがうかがえる。ただの風景の記録ではなく、個人の旅をのせた何かにしようとしているのだと思う。示唆的なカットもあって、見終わったときに独特な余韻を残す。

北島 敬三さん・評
見ているものが複雑で、矛盾とか迷いといったものも受け入れているような感じがある。だから見る側にも多くの発見がある。見えているものを見えているように撮っているのではなく、曖昧な場所を目指そうとしているのだと思う。

池上さんの作品は、みなさんにはどのように映るでしょうか。

さて、話は変わりプリント制作のお話を少し、、 
池上さんは、作品をフィルムで撮られています。今回の作品はそれをスキャニングし、インクジェットプリントで仕上げています。プリントはエプサイトのプライベートラボでつくられました。

池上さん:デジタルカメラをあまり試していないので、実際どっちが合っているかは自分でもわからないです。ただフィルムのほうが撮影からプリントまでの工程に手間がかかり、1枚1枚じっくり見ることになるので、そこは良い気がします。またフ
ィルムで撮っておけば、銀塩でもプリントできますし、それをスキャンニングすればデジタルでもプリントできます。

スキャンする際にも作品をじっくり見て、その後プリントする過程でじっくり見て、、、 池上さんがラボで作業しているときプリントをすごく丁寧に見ていたのが印象的でした。

池上さん:デジタルのほうが銀塩で焼くよりもトーンをコントロールしやすいと思います。またインクジェットは作品のサイズも自由がきくので展示には向いていると思います。展示はたいていインクジェットです。

P2221579▲ギャラリー内の様子。今回は作品のサイズを2種類に分けて展示しています。紙は絹目を選択。ギャラリーの光と作品の雰囲気が良くあってます!

Photo_2▲池上さんを記念撮影。年末に池上さんが収穫していた「真穴みかん」をエプサイトに送ってくださいました。これがとっても甘くて美味くてビックリ。スタッフみんなでバクバク食べました。ごちそうさまです!

さて話は変わりますが、今回の池上さんの会期で昨年10月から始まった2017年度・エプサイト下期公募展の6会期、全てが開催されたことになります。池上さんの会期が終了後、この6つの会期の中から最も優れた展覧会を選考し、表彰します!
6名の作家さんをお一人お一人展覧会の準備過程から見てきた私としては、もはやお母さんのような心境です。静かに選考の過程を見守りたいと思っています。

みなさま、池上さんの会期もどうかお見逃しなく。。。
展覧会は3/1、14時まで開催しております。 皆様のご来場を心よりお待ちしております。

エプサイト
池上諭写真展 「蜜柑が赤く熟れる時分」

池上さんのwebページはこちら

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2018年02月10日 | Posted by ギャラリーチーム

エプサイト 塩原真澄写真展「果物を育てて」

みなさんこんにちは! いやいや今年の冬は寒いですね~ ネコのようにいつまでもこたつで丸くなっていたいです。 

さて、エプサイトでは塩原真澄さんの写真展「果物を育てて」が始まっています。
塩原さんは長野県塩尻市で果樹園を営みながら、自ら育てた果物を撮影し、それらを作品として残す取り組みを行っています。

20180202_▲塩原さんの作品。気品溢れる果物たちの姿にただただ圧倒されるばかりです。

「ボタニカルアート」という言葉があります。まだ写真のない時代、植物の様子をリアルに伝えるために植物学者と画家がペア組み、植物学的に正しく、そして極限まで細密にその姿を描きました。それらの絵があまりに素晴らしいことから、19世紀、主にヨーロッパで大流行し、今ではボタニカルアートは広くインテリア・アートとしても親しまれています。塩原さんはこの「ボタニカルアート」の美しさと精緻な描写に感銘を受け、これを写真で表現することに挑戦してきました。

ご自身で手塩にかけて育てた果物たちを、このような美しい形で写真に残す。しかもここまで極めてしまう方がいるなんて! 昨年春の公募選考会で初めて作品を拝見したときに、しみじみと驚いたのを覚えています。ちなみに応募時のブックが、果物の箱の中にきちんと収められ、エプサイトに届いた時にも驚きましたが、、、

さて、今回の展覧会の話を。。。塩原さんの作品は二つの表現で構成されています。ひとつは白バックでまさにボタニカルアートを写真で再現したクラシカルなテイストの作品。もう一つは黒バックで撮影した非常に精緻で現代的な印象の作品です。

4▲ギャラリー内の様子。博物館にいるようなアカデミックな雰囲気が漂います。

作品の見どころは多々あります。
まずは塩原さんの果物に対する高い知見が作品にそのまま反映されているところ。日々果物に向き合い実際に育てている人ならではの視点が、作品の中に存分に感じられます。

ギャラリー内左側、黒バックの作品群の中には、果物の一連の育成過程を一枚の写真の中で表した作品があります。種無しの果実にするための化学処理、粒の間引きなど、知られざる育成の過程が丁寧に描かれています。塩原さんの作品はまさに「果物ドキュメンタリー」でもあるのです。
また塩原さんが取り組まれている育種(生物を遺伝的に改良する、、ということらしいです)の過程で生まれた、さまざまな葡萄の姿も見ることができます。病気に弱かったり、皮が薄すぎたりなど、何かしらの理由により、結局生産品種として世に出回ることなく潰えた葡萄たち。塩原さんはその姿をいつくしむように写真におさめ、作品として残しています。

作品のもう一つの見どころは「紙」。ギャラリー内右側、白バックの写真はボタニカルアートそのままに、キャンバスと羊皮紙が使われ、美しい額装に収められています。

みなさん「羊皮紙」をご存じでしょうか。羊皮紙とは正確には「紙」ではなく、動物の「皮」をなめして絵や文字などが書けるようにしたシートのこと。紙が普及するはるか昔、古代から中世にかけ主にヨーロッパや中東で文学や神聖な文書の筆写に使われてきました。「羊皮紙」と書きますが、羊だけではなく仔牛など他の動物の皮でつくられたもの全般を指すそうです。

2▲こちらは「羊皮紙」を使用した作品。なんともいえない品のよい風合いで、かなり精緻な表現です。塩原さんは試行錯誤の末、プリントを作り上げたとのこと。もちろんエプソンの写真用顔料インクジェットプリンターで制作されています!!

話は変わりますが、ギャラリーでは会期初日の夜、オープニングパーティーと塩原さんによる作品解説が行われました。

3▲集まった皆様を前に作品の解説をする塩原さん。自ら育てられたフルーツをお客様にふるまわれました。ギャラリーの中が、甘く、何ともいい香り!!!

作品を鑑賞しながら、塩原さんの解説を聞き、その品種を味わう。なんとも贅沢でオシャレなパーティーですね。塩原さんの果物の育成にかける思いがよく伝わって、とても有意義な時間でした。それにしても塩原さんは何事もとことん極める方です。

塩原さんの展覧会は2/15(木)までですが、まさにこの場所に立たなくては分からない「濃密な何か」がギャラリーにあるような気がしています。
キャンバスや羊皮紙の美しい作品も、黒バックの細密を極める表現も、どうかぜひみなさんの目でぜひ確かめてください。

皆様のご来場を心よりお待ちしております。

エプソンイメージングギャラリー エプサイト
塩原真澄写真展 「果物を育てて」

 

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