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2017年12月13日 | Posted by ギャラリーチーム

エプサイト 前田充晴写真展 「雪の旅 Snowy Journey」

みなさんこんにちは 

早いもので季節は冬を迎えましたね。エプサイトでは前田充晴さんの写真展が終盤を迎えております。

Sjdm01▲「雪の旅」という極めてシンプルなタイトルを冠する前田さんの作品。雪の降る風景を心象的な要素を絡め、美しいモノクロプリントで表現しています。

 「淡雪」「風花」「忘れ雪」、、 古来から私たち日本人は雪を表す様子を、数多くの繊細で美しい言葉で表してきました。雪には独特な魅力があり、人それぞれに雪に対する様々な感情や思い出があるのではないでしょうか。雪は周りの音を柔らかく包み込み静寂をもたらしますが、前田さんの作品を見ていると、シンシンと自分の心の奥底に向き合わされる感覚も覚えます。

 

エプサイト公募展選考委員の北島敬三さん、小高美穂さんのコメントを以下に引用します。

 

【北島 評】

この作品には「右を見て、左を見て、じゃあ自分はこうする」というのがない。何かを参照したのではなく、自分の手を一生懸命動かして、自分の写真を誰かと共有できるところまで追い込み織り上げているところに共感を感じる。それを私は「オリジナリティ」と呼びたい。ここにたどり着くまでにかなりの時間をかけていて、その過程で起きる偶然や発見みたいなものを受け入れているところが面白い。

【小高 評】

かなり量を撮って、その中からしっかり選ん でいると思う。一枚一枚が強い。旅の写真というのはプライベートなものだが、個人の殻の中にあるのではなく表現として見せることを考えている。

「心象風景」という言葉があります。現実ではなく、心の中に思い描いたり、浮かんだり、刻み込まれている景色を現す言葉ですが、前田さんはご自身の旅の写真を「心象風景」として表すことに心を砕いてきました。俄かに信じがたいことですが、実は前田さんにとってこの展覧会は初の個展。写真を始めたキッカケから今回の作品に取り組むまでの経緯をお聞きしました。

前田さん:高校生の時にバイクで初めて北海道に行き、こんな綺麗な景色があるんだと感激しました。見るだけじゃもったいない、目の前に広がるこの景色をどうせ撮るなら綺麗に撮りたい、それで一眼レフカメラを買いました。20代の頃にはますます旅にハマり、春夏秋冬、北海道を訪れていました。

 

最初は作品という意識はなく、あくまで個人の楽しみとして写真を楽しんでいたという前田さん。写真を人に見せる最初のきっかけは何だったのでしょう??

前田さん:撮った写真をポストカードにしてフリマで売ってたことがあります。それが写真をアウトプットすることに目覚めるきっかけになったのかもしれません。最初は全く売れなかった。それが3年目ぐらいになると10枚、50枚、100枚と増えて、そのうちリピーターの方も来てくださるようになった。

買ってくださるというのは自分の撮ったものを対価を払う価値ののあるものとして多少なりとも認めてくれているということ、それはやっぱり嬉しかったです。

ちなみにそのポストカードは自宅のプリンター、MC-2000PM-4000PXで作られていたとのこと。懐かしい! 

 

前田さん:当時は印刷所にはまとまった数じゃないと発注できず、まだ個人にはハードルが高かった時代で、、、インクジェットは自分で調整して、必要な数だけ自宅でプリントできるというメリットがありました。それは大きかったですね。

 

その後、第1回目の御苗場関西に出展。その時「展示」を初めて経験されたとのこと。

 

前田さん:最初、自分はただ写真を並べただけでしたけど、周りの人の作品を見てディスプレイの仕方に衝撃を受けました。皆さん作品の大きさやレイアウトをしっかり考え「どう作品を見せるか」ということを意識していました。その時初めてディスプレイの大切さが分かりました。

 

さらにその後、テラウチマサトさんが主催するワークショップに参加するなど、少しづつ「写真を人に見せること」に意識を傾けて行った前田さん。大きなパラダイムシフトが2014年、六甲山国際写真祭のポートフォリオレビューに参加した時に訪れます。

 

前田さん:ここでは海外のレビュアーに写真をマンツーマンで見てもらえます。「雪の旅」も見てもらいました。実はこの作品、最初はカラーだったのですが、その時は「綺麗だね」と言われて終わりでした。どうしたらその一歩先、自分が感じたこと、表現したかったことに踏み込んで作品を見てもらえるか、レビューでのアドバイスをもとに写真を見返し、自分なりに研ぎ澄ましていったのが今回の作品です。

 

Pc121268▲写真展では雪の降りしきる景色を車窓から見ているようなイメージでライティングを仕立てました。実に臨場感があります。私も実はかつて北海道を電車で旅したことがあって、あの時の感覚が思い出されました。

前田さん:人生は「永久の旅」とも言えます。雪は空から落ち、溶けて、また蒸発して空に還る。ゆっくり降ってきて積もってなくなっていく。 ゆっくりですが、刹那的でイメージが広がります。また、雪を見ていると自然に対する畏れや敬意も強く感じます。例えば雪の結晶の形ですが、一つ一つ奇跡のように美しい形をしています。人間の思想や価値観では測れない自然の力。そのような思いもこの作品に込めています。

 

「心象風景」として自分の写真を他者と共有できるものにしたい。

前田さんの思いは、この展覧会で確かに実現されたのではないでしょうか。

Photo_2▲前田さんをギャラリー内で記念撮影。先日アメリカのレビュー・サンタフェにも参加されたとのこと。これからの作品もますますブラッシュアップされていくのでしょう。

皆様のご来場を心よりお待ちしています。

 

(オギー)

前田さんのwebサイトはこちら

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